遺伝する股関節転位
体質や体型は遺伝すると言われますが、股関節転位のタイプも遺伝します。
実は、体型や体質の大元は股関節転位による脚長差、骨盤の前傾・後傾で決まるので、股関節転位が遺伝しているのだと言うべきでしょうか。
今回は、骨盤の高低差5センチという過度の脚長差を快善されたK・I様のケースをご紹介しますが、過度の両股関節内旋からくる反り腰と過度の両股関節外転から来るО脚という特徴的な体型に悩まれていました。
矯正の途中で、お父様も同じような体型・体質だという事が分かりましたが、その後、娘さんふたりと息子さんがいらして股関節転位を見たところ、皆さん母親であるK・Iさんと同じ股関節のタイプだったのです。
つまり、親子三代にわたって、同じ股関節転位のタイプだったのでした。
マッサージではすぐに戻ってしまう慢性の痛み
K・I様 60代 介護関係
I さんは両肩甲骨の辺りに強い慢性の痛みを抱え、腰から背中にかけてのコリに悩まされていました。
もう何年も、身体がどうにもならないほどきつく、疲労がとれずに大変お辛い状態だったということです。
マッサージへ行かれて楽になっても、肩甲骨の痛みは疎か、全体的なこりもすぐに又戻ってしまうので、骨盤の歪みを矯正したいと思い、こちらにいらっしゃったという事です。
両股関節内旋ならではの症状
I さんのように、両股関節が内旋した股関節は、一見すると姿勢良く見えるケースも多いのですが、実はご自分の生まれ持った脊柱の生理的な彎曲度を超えて反っているために、背中全体に無理がかかり、I さんのように背筋痛・背中全体のこりといった症状が出やすいのです。
左脚が長い場合の症状、脚長差の増大により悪化
この症状を改善するために、両股関節の内旋を共に矯正し、前傾した骨盤の角度を緩やかにする必要がありますが、I さんは右股関節の内旋度が強いので左脚が長く、左右の骨盤の高低差がなんと5センチに達していたのです。
このことが過度な左右のアンバランスをもたらし、
左脚が長い人の場合である消化器系・生殖器系・泌尿器系の機能にずっと以前から問題を抱えていました。
頻尿と、過去に盲腸と卵巣膿腫の摘出手術を受けてらっしゃいます。
更に、両股関節が外転しているためО脚
両股関節の内旋に外転という要素も加わり、O脚で両膝の間は指3本分以上開いています。
骨盤の高低差5センチ以上、X型のO脚と、力学的にかなり重症、複雑な歪みから来る心身のストレスは、やはり相当なものと言えます。
親子三代に渡って遺伝|体質と姿勢は股関節転位のタイプによって決まる
どちらの足が長いか、つまり股関節の型は遺伝的なものである場合が多いのですが、Iさんの娘さん、息子さんたちの股関節もそれぞれ見させて頂きましたが、左脚の長い両股関節内旋・外転のO脚だったのです。
娘さんふたりは生殖器系に問題を抱え、お一人はやはり卵巣膿腫の摘出手術を受けてらっしゃいます。
お父様も、姿勢が妙に良いO脚だったそうなので、I さんはじめ3人のお子様たちの股関節の型、体質など、I さんのお父様からの遺伝であることは間違いなさそうです。
施術矯正
5センチの骨盤高低差を揃えながら、両股関節を共に外旋していきました。
脚長差は順調に縮まり、背筋痛・背中全体のこりもそれに伴って良くなって行きました。
それでも矯正動作など間違えると症状がぶり返して辛くなるときもあり、行きつ戻りつするご自分の症状と、背中の反り具合や脚長差との関係について、ご自分で気が付かれるようになってくると、次第に主体的に矯正に取り組まれるようになり、以後は、矯正のスピードが早まりました。
毎日、100回〜300回の屈伸運動を続けられ、矯正動作もかなり身についています。
9回目の施術後、当初5センチもあった骨盤高低差が完全に揃いました。
肩甲骨の周囲の痛みはだいぶ前になくなっていますが、背中全体のこりも、疲労した時に出るだけにまで改善しました。
両股関節を外旋させていくことで、更に改善されて出なくなるでしょう。
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